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ポカラ行き国内線登場口で、ヨシダさんに会う!

マドモアゼルお勧めの市内観光も終わり、そのままカトマンズ空港の国内線乗り場で。国際線でもアレだけ質素(笑)なので、国内線なんてさすがにぜーんぶ、手作業なのでした。

私の前には黄色いパンジャビドレスを来た女性がテキパキと搭乗手続きをしている。彼女は男性連れ。珍しい。私の経験では、インディアン・サブコンチネンタルの人々は、こういう場合、殆ど男性が「仕切る」ので、女性が男性の分も、というのはかなり珍しい光景であった。
その、小柄なネパーリ女性が振り向く。

「ヨ、ヨ、ヨシダさん?(仮名)なんでこんなとこに??」

と思ったほど、友人にそっくり!髪型も体型も身長も、そっくり!!こんな事ってあるんでしょうか?
驚きつつも、自分の搭乗手続きを終えて、ボディチェックへと進む。女性の方のカウンターへ行き、カーテン越しに中に入ると、なぜかそこにヨシダさんは座って、係員と世間話をしていた。

係員が私のリュックを空ける。そこには大切にTシャツに包装したクリスタルが。係員の顔色が曇る。

「ま、まさか??」

ネパール語で他の係員と何か大声で話している。そして私を向いて係員は宣言した。
「貴方はクリスタルをカトマンズから持ち出せない。」と。

「ホントでっか?」

唖然と突っ立てる私を一瞥した後、そこに座ってたヨシダさんがイキナリ係員と交渉に入る。ネパール語で話してるので内容は分からないが、ヨシダさんが私を助けようとしているのだけは確かなようだ。
そしてヨシダさんが、「私についてきて」とチェックインカウンター目指し歩き出す。
「あなたの荷物は?」
「は?チェックインしちゃったけど。。。」
と、パニくる私の視界に、私のスーツケースがちょこんと床に置いてあった。全てが手作業なのでコンベア-とかもなく、チェックインの荷物もまだそこにあったのだ。

「これ貴方の??じゃ、開けて!」とヨシダさんが指示。「ええ?だってチェックインして・・・」「いいから開けて!」
ボーっとしたまま、その場でスーツケースを開ける。チェックインカウンターの真後ろで、人々が行き交う場所で、だ。

「スーツケースにクリスタル入れて!」ヨシダさんの指示に、「ああ、手荒くスーツケースが扱われるとクリスタルが割れるかな?」と思ったけど、無くすよりマシ。思い切ってスーツケースに詰め込む。そしてまたロックする。
ヨシダさんは、ニコッと微笑んで、「これでOKよ。」

その後、搭乗待ちのコーナーでヨシダさんと話をした。聞けばポカラに住んでいるそうだ。
クリスタルもヨシダさんが気転を利かしてくれたお陰で、無事、ポカラについたのであった。
ヨシダさんは、いつもは通り過ぎるボディ・チェック、今回に限って、係員に「座って話でもして行け。」と言われたそうだ。

ヨシダさんにも、「貴方はネパール人のようだ。」と何度も言われ、私はヨシダさんに、「貴方は私の友人そっくりだ!」と何度も言うのであった。

その晩、ヨシダさんとその友人とポカラで夕食。わーわー盛り上がったのであった。
聞けばヨシダさんは、ぬあんと23歳でシングルマザー。8歳と5歳の息子がいるそうだ。英語がとても上手なのでどこで勉強したのか、と聞くと、「ハワイ」。
ヨシダさんはハワイ生まれのネパール人だったのである。8歳までハワイに居たそうだ。

ヨシダさんの人生を聞けば、ヨシダさんの父親はネパールの秘境の出身で、大昔、米国人の観光客が秘境にやってきて、少年だったヨシダさんのお父さんを気に入り、10代になると同時に米国へ教育のためにと迎え入れたそうだ。
ヨシダさんのお父さんは、そこでアメリカン・ネパーリの女性と知り合い、結婚。これがヨシダさんのお母さん。お母さんは米国生まれなので、とても欧米化したオープンな人なんだそうだ。

そして両親がビジネスのためにハワイに渡り、ヨシダさんはそこで生まれたのである。

ハワイにも小さなネパール人村があり、ヨシダさんのお父さんは仲良くなったネパール人の友達の息子と自分の娘の婚姻を約束したのであった。
そして伝統にのっとり、ヨシダさんは15歳でお父さんのアレンジした人と結婚したのである。

その後、ヨシダさんの両親はカナダに移民したそうで現在、カナダ在住だそうである。

ヨシダさんの御主人は弁護士で、かなりのエリートだったそうだが、酒飲みで、まだ幼かったヨシダさんは、どーにも耐えられなかったようだ。
離婚して3年。いろいろ大変だけど、離婚してよかった!と屈託なく笑うヨシダさんを見ていると、なんだか私まで元気になるのであった。
by almarai | 2005-06-08 22:01
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